三重県 而今 特別純米 火入れ 2020 ~洗煉されつつある食中酒~
みなさまこんばんは。週末の土曜日いかがお過ごしでしょうか。日中は天気も良く、本来ならば秋の行楽三連休だったのですが、今年の月曜日は残念ながら祝日ではなくなってしまいましたね。
さて、そんな三連休ではない通常の週末に頂いている一本はこちら
而今 特別純米 火入れ 2020 です。こちらは時々行く酒屋さんで購入してきました。而今の特別純米火入れは、昨年の5月に頂いていますね。今さら見返すと、ラベルキャップの違いなんてかなりマニアックなディティールを乗せていましたね。
さて、今年頂く而今の特別純米の火入れは昨年とはちょっと違った部分がありまして…
掛米が、五百万石から八反錦に変わっていますね。ちなみに麹米はどちらも山田錦20%ですね。
今年はこのコロナ渦の影響もあり一升瓶かつ掛米が八反錦に変わった特別純米の火入れをゆっくりと楽しみたいと思います。
では、さっそくいただきましょう。
グラスを回すと、ややしっとりとしたメロンやリンゴ、ピーチのような甘爽やかさがほんのりと。口に含むと、ややトロリとした飲み口からスッキリとした甘旨味からドライにしっかりとした苦辛酸味でキレていきます。お!ちょっと意表を突くドライさですね。やはり掛米が八反錦を使っているだけあって、山田錦の特別純米とは違った印象。口開けらしい硬さも若干あり、どうなるかな?2~3杯飲み進めると滑らかな飲み口から而今らしい爽やかな酸味に穏やかな甘旨味。余韻はスッキリとした苦酸味でややシャープにキレていきます。初日はスッキリとシャープな印象。
アテに脂の乗った戻り鰹のお刺身と頂きます。
「うんま!」脂の乗った戻り鰹に爽やかな酸味を感じさせ、ややドライでシャープな余韻の味わいが良く合います。(敢えて言うなら、グラスよりも陶器の方がいいかな)
何となくクリームチーズを食べたくなったので
フィラデルフィアのクリームチーズと合わせて頂きましたが、チーズのクリーミーさの方が主張が強すぎて、而今の繊細な酸味の味わいがちょっと残念になってしまいました。
2日目になると、バナナやピーチ、うっすら青リンゴのまじったような爽やかさ。口に含むとややトロリとした飲み口から微弱な酸味に滑らかでややまろやかさのある甘旨味。余韻はスッキリとした苦辛酸味でキレていきます。昨日よりもまろやかさやちょっと甘味が出てきた感じ。全体的に、シャープな印象が少しふっくらとして若干幅がでてきましたね。余韻は変わらずにドライな印象も感じさせるのですが、こりゃ悪くないというか、めちゃいいバランスですね。甘味旨味酸味苦味のバランスが非常に良く整っているように感じさせます。本日も戻り鰹のお刺身と頂いていますが、やはりこの組み合わせは旨いですね。鰹の旨味に寄り添うように上手に引き立ててくれます。
3日目になると香りは穏やかにうっすらと香るピーチっぽさ。口に含むとややトロリとした飲み口から濃醇に広がる甘旨味に微弱な酸味。余韻はスッキリとした苦酸味でやや長めにキレていきます。いやぁ昨日よりも旨味の幅が広がった印象で旨いですね。昨日はバランスの良さを強く感じさせたのですが、本日は滑らかに濃密な甘旨味の幅を感じさせますね。余韻もへたれることなくしっかりとキレの良い苦酸味をキープしていますね。本日は小鯛のお刺身と頂いていますが、これもまた旨いですね。やや淡泊ながらも旨味の乗った小鯛と良く合いますね。
4日目になると、香りはほとんど感じられず、極うっすらとした吟醸香。口に含むとややトロリとした飲み口から滑らかに丸みを帯びたような甘旨味。余韻はスッキリとシャープにややドライな苦辛酸味でやや長めにキレていきます。フラットに滑らかによどみなくスルスルと入っていきます。2~3杯飲み進めるとやや尖った感じの酸味も感じさせます。
5日目になると香りは昨日のように極うっすらとした吟醸香。口に含むとトロスッキリとした飲み口からやや甘旨味が膨らむ滑らかさ。余韻はスッキリとした苦酸味で程よくキレていきます。残り1~1.5合くらいでしょうか、ここにきて葡萄のようなフルーツ感のある爽やかな味わい。余韻はしっかりとドライにキレていき、全体的に爽やかさとドライなキレの絶妙なバランス具合を感じさせます。
***********************************************************************
而今 特別純米 火入
原材料 : 米(国産)米麹(国産米)
原料米 : 掛米 : 八反錦(80%)
(使用割合)麹米 : 山田錦(20%)
精米歩合 : 60%
アルコール分 : 16%
***********************************************************************
爽やかな酸味とまろやかな甘旨味がゆったりとスローリーなテンポで流れつつ、キリッとした苦辛酸味でキレていくような味わい。昨年の掛米五百万石よりも、だいぶ余韻がしっかりとしている印象でジューシーな味わいというよりもモダンな食中酒として洗煉されてきている印象です。想像力を発揮しながら、より深く料理と楽しめる魅力的な味わいかと思います。
どうもごちそうさまでした。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません