秋田県 新政酒造 天蛙

2018年12月29日

皆様こんばんは。変わらず暑い日々が続いていますね。体調など崩されておりませんか。

私は昨日今日と地域のお祭りがあり、行きつけのお店に顔を出しつつお祭りを楽しんでおりました。

さて、今日お伝えする一本は新政酒造の「天蛙」です。

今まで噂では聞いていたものの、購入する機会に恵まれなかったことや、どうしてもこの日本酒が飲みたい、というパッションに駆られなかったこともあり、あまり気にとめていなかったのですが、今回偶然この天蛙を購入する機会に恵まれたので購入してみました。(もちろん正規特約店で)

何やら、今年の天蛙は色々あったそうで、3rdロットは回収騒ぎになったとか。あまり詳しい話はわからなかったのですが、非常にガス圧が強いらしく扱いによっては瓶が破裂してしまう?ことや底が割れてしまう恐れもあるとか。

果たして無事に開栓できるのでしょうか。上蓋のキャップを少しずつ開け閉めすること30分。なんとか無事に開栓することができました。ではさっそく頂きましょう。

香りはサッパリした柑橘系の香りがします。口に含むと第一印象は酸っぱい!しかしこの酸っぱさは単なる酸っぱい味わいではなく、生酛乳酸系の爽やかな甘酸っぱさ。ん~フレッシュでジューシーですね。まるでレモンスカッシュやグレープフルーツドリンクのよう。特にこの暑い時期にはぴったりで、アルコール度数が低いことも合いまり止まりませんね。意識しないと間違いなく一本すぐに空いてしまいます。これは人気が出るのも頷けます。

もしこの日本酒に何か食べ合わせるか考えたところ、いぶりがっこのクリームチーズ和えをイメージしました。生酛乳酸系で酸味が強くサッパリしている天蛙には燻製熟成された同じ郷土のいぶりがっこが合うのではないかと思いました。

なので翌日さっそくペアリングしてみたところ、やはりベストマッチでした。

いぶりがっことクリームチーズ和えという熟成された旨味とクリームチーズの爽やかな酸味、それを天蛙が大きく崩すことなく綺麗に口の中でまとめ昇華してくれる味わい。いぶりがっこの熟成感とクリームチーズもよく合うのですが、そこにこの天蛙が流れ込んでくることで、さらに旨味が増してくると共に、その味わいをしっかり切ってくれて嫌な後味を残しません。

裏ラベル

***********************************************************************新政酒造 天蛙

アルコール分 8度

精米歩合 60%

原材料名 米(秋田県産)米麹(秋田県産米)

原料米 あきた酒こまち(酒米)100%使用

原料米収穫地 秋田市雄和地区

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「天蛙」はアルコール濃度10%以下で薄にごりの、低アルコール発泡性清酒である。「瓶内二時発酵酒」であるため、生存している酵母によるアルコール発酵が加速度的に進み、内圧が高まりすぎる恐れがある。このため蔵内での貯蔵はもちろん、取り扱い店舗での管理もマイナス5度以下の厳守を依頼している。購入後の管理にも慎重を期すため、ビギナーにはお勧めできない酒である。なお「天蛙」はその製法に強いこだわりがあって醸されている。市場の低アルコール発泡清酒の中には、高い酸味の確保や発酵抑制のため、ラベル記載義務のない添加物(醸造用乳酸や酵素剤)を少なからず使用して製造されているものが散見される。しかし本作品はそうした工業的製法に対するアンチテーゼとして構想された酒であり、他の当蔵の酒同様に生酛から立ち上げる自然な製法で醸されている。このため技術的にも最難関のひとつであり、扱いも厳重を期すため、当蔵作品中もっとも少量生産の作品のひとつとなっている。

新政HPより引用

今回この「天蛙」を初めて飲んだのですが、やはり有無を言わず旨いですね。単純に低アルコールで発泡酒でさっぱりしているからではなく、造りや技術、製法に対する強いこだわりなどがこのような味わいを表現されるようになったのでしょう。もしどこかの酒屋か居酒屋で出会えることができたのならば、一度飲んでみてはいかがでしょうか。