酵母について
皆様こんばんは。今回は日本酒の「酵母」について考えていこうと思います。
「酵母」と聞くとあまり日本酒を飲み慣れていない方には???と言ったまったくイメージ沸かないものかもしれませんが、「酵母」は日本酒の味わいを決める大切な要素のひとつなのです。
例えば、ここ数年日本酒を飲み始めた若い方に人気の新政酒造「 No.6」
そう、これがなぜ、「No.6」かと言うと、これは現在使用されているきょうかい6号酵母(通称新政酵母)はこの新政酒造が蔵元となっているからなのです。
では、現在、代表的なきょうかい酵母にはどのような種類があるのでしょうか。
代表的な「きょうかい酵母」と特徴
6号酵母 秋田県新政酒造より分離
発酵力が強く、品の良い穏やかな香り深みのある味を生む。生酛系の造り
淡麗な酒質に向く。
7号酵母 長野県の真澄で有名な宮坂醸造より分離
爽やかで清楚な香りを持ち、深い味わいを生む。吟醸酒、普通酒用に広く
使用され、生酛にも向く。
9号酵母 熊本県の酒造研究所より分離
別名熊本酵母。低温下でも発酵力が旺盛。華やかな香りを生み、吟醸酒
造りに向く。
14号酵母 金沢国税局鑑定官室
別名金沢酵母。酸が少なく、メロンや洋梨のような芳香が特徴を生む。
吟醸酒造りに向く。
15号酵母 秋田県醸造試験場の開発
「AK-1酵母」(秋田流・花酵母)を新たに登録、酸が少なく、上立香の
華やかな酒造りに向く。
出典:日本酒完全ガイド
そもそもこの酵母は酒造りにおいてどのような役割をするのでしょうか?
酵母の役割
発酵の過程でブドウ糖をアルコールと炭酸ガスに分解する役割を持つ。発酵が止まってしまわぬよう力強く健全に発酵する力が求められる。酵母は自然界に無数存在し、酒造りの工程中に質の悪い酵母などが増殖する可能性もある。そこで、醸造協会により純粋培養された優良な酵母が配布された。要するに発酵をより強く促進させ様々な味わいを出させる一つの要因なのですね。
では、このきょうかい酵母以外にはどのような酵母があるのでしょうか。
きょうかい酵母以外の酵母
・静岡酵母(HD-1 NO-2 など) ・宮城酵母(初代 MY酵母) ・福島酵母(うつくしま夢酵母)
・花酵母(東京農業大学がナデシコ、アベリア、ツルバラなどの花から分離)このブログでも取り上げた武の井酒造さんなどはこのツルバラの花酵母を使ってますね。
最後に
今回のコラムでは日本酒の味わいを決める大切な要素のひとつとなっている「酵母」について取り上げてみました。私が以前とある酒蔵へ見学に行った際に、蔵へ入るときは納豆などの菌がついている食べ物を食べてきて見学には来ないで欲しい、との話がありました。(本当か験担ぎの一端かはわかりませんが)日本酒造りは知ればしるほど面白いですね。
出典 参考文献:枻出版社 日本酒の基本 池田書店 日本酒完全ガイド
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