日本酒のお米について

2018年12月30日

みなさまこんにちは。今日は少し肌寒い風が吹いている、そんな感じがする木曜日です。

さて、本日は日本酒の原材料のひとつ、お米(酒米)について書いていこうと思います。

日本酒の味の要因を決めるといわれる水と米。日本酒で使われるお米は酒造好適米といわれ、一般の飯米とは区別されます。

では、食用米(飯米)と酒米(酒造好適米)はどう違うのでしょうか。

その大きな違いは「心白」の有無です。「心白」とは、米の中にある白い芯のような物質。この「心白」があることで、でんぷんの糖化が促されます。要は心白がしっかりあるかないかの違いですね。(しかし最近では食用米でも酒米として使う蔵も増えてきていますが)

次に酒米(酒造好適米)にはどのようなお米がどれだけ生産されているのでしょうか。

農林水産省の酒造好適米の銘柄別生産量(平成27年)によると

山田錦 38,176トン  五百万石 25,593トン  美山錦 7,831トン  雄町 2,847トン  出羽 2,247トン

その他 28,050トン

となっています。

生産量が圧倒的に多いのが山田錦、五百万石、美山錦の3品種ですね。

 

では、この中で山田錦と五百万石はどこで多く生産されているのでしょうか。

これも農林水産省HPによると27年産、酒造好適米の主要銘柄の生産状況によると

山田錦・・・兵庫県63% 岡山8% 山口4% その他25%

五百万石・・・新潟50% 富山16%  福井11%  その他23%

となっています。

山田錦は兵庫県が、五百万石は新潟が半数以上を占めていますね。

なぜこの山田錦、五百万石が半数以上の割合を占めているかというと、全国の酒造メーカーからのニーズが多く、この2銘柄だけで、酒造好適米全生産量6割を占めているとのことです。

 

さてここまでは日本酒の酒米について基本的なお話をしてきました。日本酒をよく飲んでいる方からしたら「そんなの今更」と、あまり面白くない話だったかもしれませんので、ここで最後にちょっとだけ突っ込んだ話題を。

ここ数年日本酒好きの中でよく話題になる酒米「愛山」について。

最近、愛山で醸した日本酒は甘くて美味しい、という見方が多くきかれ、私も確かに愛山で醸した日本酒は甘く、ふくよかでまるでフルーツを頬張っているかのように思えるお酒と感じるものもあります。

先日その愛山のルーツを調べたら、もともとは「剣菱酒造」さんが兵庫県の農家と契約栽培し守り続けた酒米であるのだという。しかし阪神淡路大震災で愛山を使った酒造りをあきらめざるを得ない状況になり、その数年後、山形県の「高木酒造」さんが愛山を普及させたそうです。そう、今でさえもてはやされている愛山ですが、「剣菱酒造」さん「高木酒造」さんなくして今の普及はなかったそうです。(実はそんなことも知らずに飲んでいたミーハーな私も恥ずかしく思えました)

 

 

参考HP&参考文献

農林水産省HP http://www.maff.go.jp/

枻出版社 日本酒の基本