秋田県 新政 山吹タンジェリン2015 ~絶妙な熟成感とバランス感の飲み心地~

2019年8月16日

みなさまこんばんは。お盆真っ最中いかがお過ごしでしょうか。旅行に行かれている方、帰省されている方、変わらずお仕事をされている方、さまざまかと思います。台風10号が結構心配ですが、大きな被害がでないことを願います。

さて、今夜の一本はこちら

「新政酒造 山吹 タンジェリン2015 蔵内熟成別誂」です。

こちらはたまに行く酒屋さんで購入してきました。なんでもこのタンジェリン2015は全国でも3?4?店舗限定の発売とのこと。購入できたことがなんとも幸運でした。

さて、そんなタンジェリン2015ですが、特筆すべきは酒米「吟の精」ではないでしょうか。

この「吟の精」合川1号と秋系53の交配種で秋田酒50号として誕生したそうです。この酒米は心白が目立たず少なめで大粒ということが特徴の酒米で、現在では絶滅危惧種とも言われる稀少な酒米で、この新政酒造も2017年をもって使用をやめたとのことです。

そんな稀少な酒米で醸し、なおかつ蔵内でおよそ2年熟成させた(製造年は2017年、出荷年は2019年)お酒はたしてどのような味わいなのでしょうか。

では、さっそくいただきましょう。

香りは穏やかなお米の香りが仄かに香る程度。口に含むとややトロリとした飲み口の中に、およそ2年も熟成させたとは思えないジューシーな酸味。柔らかい甘さと深みのあるコクと旨味。余韻にワンポイント苦みを軽く感じさせます。

いやー本当に熟成させたかとは思えない味わいですね。絶妙な熟成感とバランスの取れた味わい。このジューシーな酸味を感じた瞬間、本当に熟成したのかな、と考えさせられます。

2日目になるとジューシーな酸味がキュッとまとまって、ドライでシャープになる感じなんだけども、仄かに喉の奥に感じさせるオレンジのような柑橘系の甘酸味が後味を引き立てます。奥行きや立体感のある味わいと程よい熟成感。

3日目は若干酸味が強く感じられる部分があるも大きく味わいがダレることなく、柑橘系の甘酸味を感じさせつつスッキリといただけます。

もしこの日本酒に何か食べ合わせるかとしたら、ベーコンや鴨ロース、燻製肉などを合わせたいかなと思わせました。

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新政酒造 山吹 タンジェリン2015 蔵内熟成別誂

醸造年度 平成28年度

原料米収穫年度 2015年度

原料米 秋田県産 吟の精100%使用

原材料名 米(秋田県産) 米麹(秋田県産米)

精米歩合40% (麹米掛米ともに40%)

アルコール分 15度(原酒)

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生酛純米6号酵母40%磨きの2年熟成で酒米吟の精で醸したタンジェリン2015。日本酒の「熟成」というと「濃くて重い」イメージがあるかもしれませんが、このタンジェリンは驚くほどスルスル飲めてしまいます。まさに熟成酒の概念を覆すような、すっきりとバランスのとれた熟成酒。なかなか飲めることの出来ない一本ですが(というかもう飲めない!?)印象に残る魅力的な一本でした。

どうもごちそうさまでした。