山形県 高木酒造 十四代 角新本丸 ~十四代代表の新酒で新年を~

みなさまこんばんは。新年明けましておめでとうございます。2020年の年明けいかがお過ごしでしょうか。昨年は台風や豪雨災害が全国各地でありましたが、今年は大きな災害などおきず平穏な年であってほしいですね。

さて、新年一発目の一本はこちら

山形県 「高木酒造 十四代 角新本丸 生酒 秘伝玉返し」です。これはちょこちょこ行く酒屋さんで購入してきました。このブログでは初の十四代ですね。外飲みでもあまり飲む機会のない十四代ですが、この年末年始運良く本丸の生酒を自宅で飲めることとなりました。

十四代の本丸は高木酒造の定番商品。ちょっと日本酒に力を入れている居酒屋さんに行けば、おいてあることもしばしば。こちらの本丸は角新本丸や新本丸と呼ばれ、この時期限定の十四代本丸の生酒になります。

中央ラベル右側に書かれている「秘伝玉返し」とは十四代の純米粕取り焼酎を使って、玉酒(酒と水を混ぜたもの)を返す(もどす)ということみたいです。十四代オリジナルの加水とアルコール添加技術です。(ちなみに玉酒の玉とは水のことで、高木酒造の敷地内地下25Mから汲み上げた葉山山麓の湧き水「桜清水」を仕込水として使用しているそうです)

家飲みでは初の十四代、期待が膨らみます。

では、さっそくいただきましょう。

グラスを回すと少し甘めな蜂蜜や爽やかなマスクメロンのような香り。甘さの中に仄かなオレンジのような柑橘類のような酸味ある香りも。口に含むとややトロスッキリとした飲み口から新酒らしいフレッシュで微弱な酸味からバランスの良い甘旨味。余韻にとろけるようで瞬く間に消えていく苦酸味。いやー、さすがに旨いですね。わかりやすく言うなら官能的なメロンや青りんごを頬張っている感じ。2杯目以降になると香りにやや青リンゴっぽさも出てくる感じ。味わいはスッキリとした飲み口の中にフレッシュでバランス良い甘旨味。余韻は嫌みなくナチュラルにスッとフェードアウト。こりゃ旨い訳ですね。アル添にしてこのフレッシュさとバランスの良さはさすがですね!裏ラベルにある通り清らかな果実味(青リンゴやメロン、ちょいピーチやパイン)溢れる素晴らしい一本。

2日目になるとすこーしアルコール感の感じられる甘めのメロン香。口に含むと、ややスッキリとした飲み口からトロ甘旨味に下支えするような微弱でフレッシュでミネラリーな酸味。余韻にややドライな印象を持たせつつキレイにフェードアウト。昨日よりもやや甘味が落ち着き、スッキリとしてきた印象。それでもなおスッキリとした中にバランスの良い甘旨味は健在。含み香にメロンや青リンゴのような爽やかさ。少し温度が上がるとトロリとした甘味がそこはかとなく顔を出してきます。その後やや複雑味のある苦酸辛味もひょこっと顔を出します。

3日目になると香りはだいぶ穏やかになってきた感じで、ややアルコール混じりのメロン香。口に含むとスッキリとした口当たりからややトロリとした舌触りから軽やかに抜けていく甘旨味。酸味は極うっすら甘旨味を下支えし、ひょこっと出てきた苦辛さを甘旨味がうまくカバーさせて余韻の苦辛味が程よくやや長めに続きます。3日目にしてフレッシュさもだいぶ落ち着き、まろやかなで艶やかでコテッとした甘旨味がのってきた感じ。飲み口スッキリまろやか甘旨味と余韻の苦辛味。少し甘味が強い感じもするかなぁ。

4日目は外出の為、飲めず。

5日目になると、若干アルコール混じりの白葡萄や青リンゴのような香りに。口に含むとややスッキリとした飲み口から程よくトロリとした舌触りから甘苦味が混じったような味わい。余韻に酸味と辛味が混じりピリッとした余韻とメロンのような含み香を感じさせつつ緩ーくフェードアウト。フレッシュさは抜けてきたものの、十四代らしい甘旨味は健在。そこまで甘垂れしないのはやはり高木酒造のアル添の技術力でしょうか。味わいにコクや旨味、まろやかさや深みが重層的に出てくる感じで開けたてよりもよりも深い魅力的な味わいを感じさせますね。

6日目になると、だいぶ香りも落ち着いてきましたね。極うっすらピーチやメロンのような香。口に含むとややトロスッキリとした飲み口からスルリと溶けていく甘旨味から後半にクワッと広がる甘旨味。余韻に優しい苦味で柔らかくスッキリフェードアウト。程よくコクや微弱な酸味も若干ながら感じさせ、開栓してから一週間近く経つのにまだ瑞々しさも感じられ驚きの一言です。

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山形県 高木酒造 十四代 角新本丸 生酒 特別本醸造

原材料名 米、米麹、醸造アルコール

精米歩合 55%

原料米 国産米100%使用

アルコール分 15度

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いやー、とにかく旨い日本酒でした。さすがは十四代。新酒生酒だとけっこう味わいがぶれたり変化が大きい日本酒もあるのですが、この角新本丸は最後の最後まで瑞々しさを残しつつ、緩やかな変化を感じさせつつもキレイな味わいのまま終わらせてくれました。味わいのバランスとキレの良さと技術力の高さ。やや甘めではあるもののクリアーな甘さと程よいコクと旨味、スッキリとした心地よいキレの良い余韻。

素晴らしい一本。どうもごちそうさまでした。