三重県 而今 純米吟醸 雄町 火入れ 2020 ～酸味のバランス力～
みなさまこんばんは。８月下旬の木曜日いかがお過ごしでしょうか。私の住む地域では、日中気温が35℃に達するようなうだるような暑さでした。８月も残り一週間を切ったのですが、もう残暑が始まってきているのでしょうかね。
さて、そんなうだるような暑さを感じる夜に頂いている一本はこちら
三重県 「而今 純米吟醸 雄町 火入 2020 」です。而今の雄町は今年の５月に生酒を頂いていますね。今回は火入れになります。せっかくなのでちょっと瓶を見比べると…
おっと！
たすき掛け下部に記載されていたBY表記のBYが、今年の火入には「BY」が消えていますね。何か消す理由でもあったのでしょうかね？
さて、そんな些末な違いを確認したところで、さっそく今年の雄町の火入をいただきましょう。
グラスを回すと、か細くも清涼でミネラルに爽やかな香り。口に含むとややトロリとした口当たりから微弱な酸味に滑らかな甘旨味。余韻はスッキリとした苦酸味で、やや長めにじんわりと心地よくキレていきます。まだ一升瓶の一杯目。而今らしいミネラル感は感じられるも硬さが残ります。２～３杯飲み進めると、香りはうっすらとミルキーさにパイン＋ピーチっぽい爽やかさに。口に含むと軽快で爽やかな酸味に滑らかな甘旨味。余韻はスッキリとした苦辛酸味でスッとキレていきます。うーん！秒速！とにかく速く鋭い！鋭敏！口に含んだ瞬間に消えて無くなるようです。もう少し飲み進めていくと、甘味旨味程よいミネラル感に余韻はややドライな印象も。
今夜はちょっとレアなメカジキのお刺身で頂いています。メカジキのお刺身はややコリコリとした食感に脂の乗った旨味にやや淡泊さも感じさせる絶妙な味わいで非常に美味しいです。
２日目になると、香りは穏やかにうっすらと、ピーチやメロンのよう。口に含むと微弱で爽やかな酸味からまろやかに広がる甘旨味。余韻は短くスッとキレていきます。うーん繊細な酸味ですね。この繊細な酸味が絶妙にバランスを整えているかのように甘味旨味を滑らかに押し流し余韻の手前あたりで雄町の旨味やコクを感じさせ、鋭くサッとキレていきます。少し咽奥に苦味が残る感じもあるかな。今日はクロダイのお刺身と頂いているのですが、ちょっとクロダイが而今のあたりに負けてしまう感じ。偶然購入した某牧場自家製のローストビーフとも合せてみたのですが、まだこっちの方が好みな感じですね。雄町の火入は単体でも十分美味しいのですが、まだ何か美味しくいただける食材がありそうなポテンシャルを感じさせてくれます。
３日目お休肝日
４日目になると、スッと爽やかなスイカやメロン、ウリのよう。口に含むとトロっとした飲み口から滑らかに厚みのある甘旨味。余韻は若干複雑味を感じさせつつスッキリとキレていきます。酸味が落ち着き旨味が乗ってきた感じですね。サラリと入りグワッときたかと思えばフワッとメロンのような甘爽やかさな含み香でサッと消え去る感じ。いやぁパワフルかつバランス力ですね。いや、バランス力からのパワフルさなのかな。力強くも爽やかにバランス良く、キレ良く爽やかに頂けますね。今日は千葉県産のブリのお刺身と頂いていますが悪くはないですね。程よく脂の乗った新鮮なお刺身だったら合わせられそうかな。
５日目は、お！だいぶ良い感じですね。香りはやや乳酸チックに口に含むとトロッと滑らかな口あたりからフラットかつソフトに優しく甘旨味が広がり、余韻の軽快な苦酸味でサッとキレていきます。昨日の味わいがけっこうパワフルに感じたのですが、本日はしっとりと柔らかく滑らか。例えるなら、昨日の味わいが男っぽく力強く、本日の味わいは女性チックで優しくおしとやか。余韻も苦味が抑えられ、爽やかな酸味主体でキレていきいいですね。昨年飲んだ雄町の火入は４合瓶だったので、この味わいは感じられなかったので、明日以降もどうなるか楽しみです。
6日目になると香りは穏やかながら、やや乳酸混じりの柑橘っぽいニュアンスも。口に含むと、程よくややトロリとした飲み口から、滑らかにしっとりとした甘旨味に穏やかながらはっきりと下支えする酸味。２～３杯程飲み進めると、やや酸味が誇張してくるもこのマイルドな酸味を主体とし甘旨酸味の心地よいバランスを感じさせます。こりゃマイルドな酸味に雄町の旨味が絶妙ですね。
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三重県 而今 純米吟醸 雄町 火入 2020
原材料 : 米(国産) 米麹(国産米)
原料米 : 雄町(100%)
精米歩合 : 50%
アルコール分 : 16%
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而今 純米吟醸 雄町の火入一升瓶は始めて頂いたのですが、やはり４号瓶とは違った表情を出してくれましたね。飲めば飲む程に洗煉されていき、魅力を深めていくかのような味わい。最後の方になっても未だ爽やかな酸味と甘旨味のバランスの良さを感じさせます。いやぁやはり旨いですね。深く魅力的でどこまでも飲み手を飽きさせない味わい。中々こんな窮屈極まりないご時世の中で、こんな旨い酒が飲めることに感謝致します。
どうもごちそうさまでした。