長野県 小布施ワイナリー イリヤソントン 2021BY ~官能的アッサンブラージュ~

2022年4月1日

みなさまこんばんは。3月最後の木曜日いかがお過ごしでしょうか。本日で3月も終わりとなり、明日から新年度となりますね。

さて、そんな年度末の締めくくりに頂いている本日の一本はこちら

「小布施ワイナリー  ソガペール エ フィス イリヤソントン 生酛 2021BY」です。こちらは時々行く酒屋さんでたまたま置いてあったので購入してきました。イリヤソントンは昨年も飲んでいますすね。

では、さっそくいただきましょう。

グラスを回すと、フワッと香るお米の甘爽やかなミルキーさ。口に含むと、ややトロリとした飲み口からやや硬質な舌触り。余韻はスッキリとした苦酸味で、ややタイトにキレていきます。おぉ!?一杯目はミルキーな甘旨味をこそっと感じさせつつ、キレの良いシャープでスレンダーなアフターにどことなく複雑味も。やはり1杯目。少し硬さもあるかな。2~3杯飲み進めると、生酛らしい甘味がミルキーに膨らみます。余韻は爽やかさを感じさせる苦酸味で程よくキレていきます。ミルキーにタイトに爽やかでキレ良く余韻の複雑味さえも魅力的に感じさせる様相ですね。

2日目になるとミルキーさと柑橘っぽい爽やかさのバランスが50/50のような香りのニュアンス。口に含むと程よくスッキリと柔らかな飲み口から、舌上を絶妙にバランスを保ちつつ、グワッと広がる甘旨味。余韻に掛けて爽やかな酸味を微弱に感じさせつつ余韻は程よい苦辛酸味でキレていきます。お米の甘味が若干余韻まで引き伸びてくる感はあるものの、その甘味がミルキーに溶け出し酸味と溶けていき、苦辛味の中に少し甘爽やかな印象を持たせます。

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長野県 小布施ワイナリー  イリヤソントン 生酛 2021BY

原材料名 : 米、米麹

アルコール分 : 16度

精米歩合 : 59%

長野県産美山錦100%使用

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明けぬ夜は無し、上がらぬ雨は無し。

今から丁度100年前、人類はパンデミック(スペイン風邪)の中を乗り越え生き続けてきました。偶然にも100年前、日本酒製造技術も激動の時代真っ只中でありました。様々な思いが交差する「100年前」という名の酒。100年前にはすでに発見されていた1号酵母と2号酵母の混合醗酵。もちろん(100年前の主流な仕込み法であった)生酛で仕込みます。男酒と女酒のナンセンスなアッサンブラージュはまさに官能的。現在を生きる我々はsake「IL Y A CENT ANS」から何を感じ何を後世に残しうるのでしょうか。

「ナンセンスなアッサンブラージュはまさに官能的」今年も楽しませてもらいました小布施ワイナリーのイリヤソントン。やはり魅力的で官能的。なんて言うかブログ自体を否定してしまう言い方ですが、このお酒に関しては「言葉はいらない」と思わせるほど官能的な味わい。感度の高い女性に是非飲んで貰いたいなと思います。

 

 

 

 

 

 

 

おまけ

今、私の部屋の外ではやや冷たい雨がつらつらと降り注いでいます。雨の夜って意外に嫌いじゃないんですよね。何となく気持ちが落ち着くんですよね。(ザーザー降りや台風のような場合は別ですが)新型コロナにかかわる問題やロシアによるウクライナ侵攻など、依然社会不安な状況が続いています。このような不安定な社会情勢の中、安全な自宅で静かにこのsakeと向かい合い穏やかな時を過ごすことで、やはり平和で穏やかな日常を大切さを常々考えさせられます。平和なこの国でこんな事を言うのもおこがましいですが、一時も早く平穏な世の中になってもらいたいと願います。

どうもごちそうさまでした。