秋田県 新政 亜麻猫2019 ~扁平精米導入とは~

みなさまこんばんは。週末の金曜日いかがお過ごしでしょうか。私の住む地域では、朝から蒸し暑く、午後からは雨が降り出してきました。今もなおしとしとと雨が降り続いております。まぁいわゆる梅雨らしい日でしたね。明日かあさっては晴れ間を期待したいのですが…どうでしょう。

さて、そんな梅雨らしい7月第一週の週末金曜日に頂いている一本はこちら

秋田県「 新政 亜麻猫 2019 」 です。こちらはちょこちょこと行く酒屋さんで購入してきました。新政の亜麻猫に関してはスパークは年一程度取り上げていたのですが、こちらのノーマルな亜麻猫はこのブログでは初ですね。前回の亜麻猫スパークのときは触れなかったのですが、昨年の造りから新政酒造は扁平精米専用機を導入しています。なんでもこの扁平精米機を使うと、例えば精米歩合が60%のお米でもタンパク質の量が従来の40%と同等になるそうです。なのであまり米を磨かずに、大吟クラスのお酒ができてしまうのです。これは凄いですね。やはり酒蔵も時代に合わせて設備投資をしていかなくてはならないのでしょうかね。

さて、そんな扁平精米で醸し出された「新政 亜麻猫2019」では、さっそくいただきましょう。

香りはメロンと乳酸の入り交じった爽やかながら主張のある香り。口に含むとややトロリとした飲み口から微弱な酸味を伴い柔らかく広がる甘旨味。余韻に程よい苦酸味でスッキリとキレていきます。軽快なアタックから微弱な酸味を伴い、若干心地よいコクとリッチなボリューム感と艶やかさを感じさせ含み香りにリンゴやメロン柑橘系っぽい爽やかさを含ませつつ軽快にフェードアウト。

面白く魅力的な一本ですね。白麹を使い爽やかな酸味を出させ、オーク樽を使うことで程よくボリューム感を出し、今年から導入した扁平精米による磨き50%のようなクリアーさを出させ、それらを生酛の6号酵母で表現させたかのような一本。

2日目になると、オレンジやグレープフルーツのような爽やかな柑橘系の香り。若干乳酸ぽさも。口に含むと、トロスッキリとしたやや酸味を感じさせる飲み口から爽やかに広がる甘旨味。余韻にグレープフルーツのような爽やかな含み香を感じさせつつ軽微な苦酸味で短くスッキリとフェードアウト。白麹が生き生きとしていますね。そのせいか昨日よりもボリューム感は押させられ、よりスッキリと爽やかさが増しているようにも感じられます。

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令和1酒造年度に十一世代を数えた今期の「亜麻猫」は史上稀に見る大幅なリニューアルを施されております。まずは米の削り方を変更して「扁平精米」を導入。これにより精米歩合65%でありながら、50%クラスのクリア感を出すことが可能になりました。また短期間ながらオーク樽に貯蔵しボリューム感をアップ。酸度も3以上というダイナミックなその構造は猫というか猫科の中型肉食獣とでもいえる境地です。さらに進化する「亜麻猫」をお楽しみ下さい!

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秋田県 新政酒造 亜麻猫 2019

特殊製法:白麹使用 高酸味酒

アルコール分:13度

原材料名:米(秋田県産)米麹(秋田県産米)

精米歩合:麹米55% 掛米65%

原材米名:あきた酒こまち100%使用(2019年収穫秋田県産)

使用酵母:きょうかい6号酵

醗酵容器 : 木桶

醸造年度:令和1酒造年度(2019-2020)

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リニューアルされた新政の亜麻猫、楽しませてもらいました。これは確かに新境地ですね。以前の亜麻猫よりも「扁平精米×白麹×オーク樽×あきた酒こまち×6号酵母=凶暴な中型肉食獣」といった感じ。単純に甘酸っぱいと感じるか凶暴な中型肉食獣と感じるかは飲み手次第でしょうか。今後の進化も見逃せない一本かと思いました。

どうもごちそうさまでした。