山形県 十四代 純米吟醸 本生 荒走り おりからみ ~フレッシュさ痺れる旨さ~

みなさまこんばんは。週の真ん中水曜日、いかがお過ごしでしょうか。早いもので1月も終わりに差し掛かってきましたね。なかなか最近はゆっくりと外で飲むことも難しい状況ですね。

さて、本日の一本はこちら

「十四代 純米吟醸 本生 荒走り おりからみ」です。十四代は昨年の12月に純米大吟醸の雪女神を頂いていますね。生酒は昨年の槽垂れ以来です。十四代の中ではミドルレンジのお酒になるんですかね。

「十四代 純米吟醸 本生 荒走り おりからみ」は昨年まではグリーンボトルだったのですが今年からライトブルーボトルにマイナーチェンジしていますね。(そういえば2年ほど前にあった薄青瓶問題はどうなったのでしょうかね?)また昨年まであった表ラベルの角新印も無くなっていますね。

さて今回はおりからみということですが、滓は本当に瓶底からうっすらと浮き上がる程度ですね。(まぁ、裏ラベルにうすにごりと表記してあるくらいですからね)。この手の多くの酒は”にごり酒”や”おりがらみ”などと表記する蔵元が多い中、この十四代は”おりからみ”と独自の表現をしていますね。裏ラベルには”うすにごり新酒”という表記もあり、察するに個人的には”おりがらみ”程、滓が絡む程ではなく、”にごり酒”ほど濁ってもおらず、表ラベルに”うすにごり”と表記するほどはにごってはいないけど“うっすら滓がからんでいて若干ながらにごっていますよ”という具合から、濁点をとり除いた“おりからみ”という表記にしたのかな?なんて思ったりもしました。(酔っ払いの適当な詮索すみません💦)

荒走りに関しては、槽を用いた搾りの製法で醪を絞った際に一番最初に落ちてくるお酒ですね。

さて、そんな酔っ払いの適当な詮索はさておき、十四代 本生 荒走り”おりからみ”楽しみですね。

では、さっそくいただきましょう。

まず、キャップを開けるとプシューッとした開栓音。グラスに注ぎ、スワリングすると、上立ち香はやや華やかにパインや蜜のような甘い香りに仄かに青リンゴのような爽やかさ。口に含むと、トロスッキリとした柔らかな口当たりのアタックから、やや大きめな甘旨味がまるで果実が口の中で弾けるような感覚。フレッシュで爽やかでいて余韻の鋭いキレ。

2杯目~3杯目になると爽やかな酸味が顔を出し、甘旨味をスムースに心地よく流し込んでくれます。十四代生酒のフレッシュ&ジューシーの本領発揮でしょうか?(まだ早いか)心地よい爽やかでフレッシュな酸味にやや柑橘っぽさを感じさせる味わい。余韻はもちろん嫌み無くスッと爽やかにナチュラルにフェードアウト。

なんだろ、やはり死角がないですね。しっかりと濃醇旨口ながら細部まで丁寧に作り込まれている感じですね。この酸味の表出具合というか、まるで計算され尽くしたかのような瑞々しくも絶妙な味わい。スッキリ爽やかにスルスルと口の中に溶け入ってしまいますね。

2日目になると、香りは甘爽やかなパイン香に若草のような青々しさ。口に含むとトロリとした柔らかな口当たりからやや大きめな甘旨味。余韻はやや甘味を感じさせつつ軽微な苦酸味とともに、スッキリとのど元を通り抜けていきます。昨日開けたての一杯目に近しい感じ。昨日よりは甘味は弱くなり、少しまろやかさがでてきたかな。

2杯目にはトロリとした蕩けるような甘旨味に、若干気にかかる程度の苦酸味。少しだけ苦味がでてきた感じ。3杯目になるとフレッシュで爽やかな酸味が顔をだし、甘旨酸味がバランス良くかつ心地よく口の中に広がります。まるで綿飴にラムネを混ぜたような印象。やや甘旨口なんだけども余韻のドライまではいかないまでも、甘だるさを残さない絶妙なスッキリ爽やか瑞々しいラインを感じさせますね。

3日目になると、香りは爽やかな青リンゴのよう。口に含むとややトロリとした飲み口から、甘旨酸味クリアーに軽快かつ心地よく口の中に広がり、余韻はスッとナチュラルな苦酸味でキレていきます。思わず、「うぉ、うんま!くぅ~きたわ~」と感嘆しましたよ。クリアーかつスムースに、流れていきながらも、しっかりとブレのない極上のフルーティーな甘旨味を感じさせてくれます。ミネラル感はそこまで感じさせないものの、この味わいはちょっと反則ものですわ。

4日目 お休み

5日目になると、香りはスッキリ爽やかなパインのような香りにややウリっぽさも。口に含むと、ややスッキリとした飲み口からやわやかかつまろやかに広がる甘旨味。余韻にスッキリとした苦酸味でパインや柑橘系のフルーツを思わせるような爽やかさを感じさせキレていきます。少しうすにおりの滓を絡めていくと、いやぁ、甘旨ジューシー。余韻にサッとキレのよい苦酸味と柑橘っぽい爽やかさでキレていきます。うすにごりのおりが絡んでかやや甘旨味がしっかりと感じますね。

6日目になると香りはスッキリと青リンゴのような香りが仄かに香ります。口に含むと、トロスッキリとした飲み口から爽やかさとまろやかさが絶妙にマッチした甘旨味に余韻はやや強めな苦味を感じさせゆるりとキレていきます。しかしさすがに6日目となるとやや甘垂れ感が出てきますね。フレッシュな酸味もなくなり、程よい爽やかさはあるものの、甘味の強さと余韻の苦味が印象的となります。

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十四代 おりからみ 荒走り 生酒

原材料名 : 米(国産)、米麹(国産米)

精米歩合 : 50%

原料米 : 国産米 100%使用

アルコール分 15度

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ありがたいことに今年も十四代の生酒を自宅でゆっくりと頂けることができました。やはり生酒だからでしょうか、個人的には初日と3日目くらいが美味しくいただけました。

この十四代 おりからみはちょうど成人式前にリリースされていますね。今年はコロナの影響で成人式の開催やその後の飲み会など難しい状況だったかと思いますが、このお酒は是非”新成人”に飲んでもらいたい一本かと思いました。特に初日のフレッシュな味わいの状態でこの酒を新成人同士で感じてもらえれば、きっと日本酒への考え方も変わるのではないかと思いました。

どうもごちそうさまでした。